異界戦記カオスフレア ショートリプレイ
「聖戦士、降臨」
ミドル・フェイズ2 一夜明け、城はいつもの静けさを取り戻したかに見えた。 しかし…… アリシア : 「まったく、一々あの勇者を帰すだと?折角のわらわの下僕候補を……(ぶつぶつ)」 ラルス : えー、登場します。「これは魔王様!(張り付いた笑みで)」 アリシア : 「あー、お主か。(コンコン)キリン、入るぞ?…ああラルス、お前は入るな。乙女の部屋に無断で入るものは滅殺されるのじゃぞ。」 ラルス : 「はっはっは…分ってますよ。そこまで私も無粋ではありません…どうぞ、ごゆっくり(張り付いた笑みで)。」 しかし、そこにキリンの姿は無かった… アリシア : 「…おい待てラルス。キリンの奴おらぬ。」 ラルス : 「魔王様、そんな冗談には引っかかりませんよ…いつだったかも同じような事をして私をぶちのめしたではありませんか。」(一同爆笑) アリシア : 「ええい、今度は本当だと言っておるのだ!…先に飯でも食いに行ったか?とりあえず食堂に行くぞ。」 食堂に向かう2人。しかしそこにもキリンの姿は無かった。不審に思った2人は聞き込みを開始した。そして… GM/メイド : 「私、見たんです。タックスマン支部長がキリン様に銃を突きつけて泉に向かわれるのを…キリン様は『心配をかけるといけないから誰にも言うな』とおっしゃったのですが…」 ラルス : 「(ドガッと壁を叩いて)…あの豚がっ…!!」 アリシア : 「ちっ…あの下等生命体が。わらわのキリンに手を出すとは良い度胸じゃ…ラルス、付いて参れ。あの戯け者に誰に喧嘩を売ったか教えてやろう…」 ラルス : 「…異存は、ありませんね。ここは至急向かうべきでしょう。」 草薙 : では歩いてった通路の先で出くわします。「…どうした?」 アリシア : 「丁度良いところにいた、草薙。キリンが連れ攫われたらしい…さっさと付いて来い。」 草薙 : 「キリンが? 誰に?」 アリシア : かくかくしかじか。「タックスマンとか言うゴミだ。ちなみにこやつ(ラルス)の上司じゃ。」 草薙 : 「…何も知らないのか?」 ラルス : 「(ばつの悪そうな顔をして)…生憎僕は下っ端なもので。但し、これは明確なるオリジンの法律違反です。支社長殿にはその辺の事をしっかりと分ってもらいましょう。」 レトロアポロも合流し、草薙達は地下の泉に着いた。そこで彼らは見た。轟々と溢れ出すフレアの奔流を…そしてそこから一際溢れ出る虹色のフレアを。 次の瞬間、中年の男がほうほうのていていで廊下に転がり出してきた。ジョージ・タックスマンだ。 ラルス : 「支社長!?」 アリシア : 「待て、貴様!」 GM/タックスマン : 「(慌てて)た、大変な事になってしまった!泉が暴走して、プリンセス・キリンが飲み込まれた!」 アリシア : 「この戯けがっ!(ゴベシャ!)」 GM/タックスマン : 「ほぎゃ〜!(吹っ飛ばされる)」 ラルス : 「支社長殿…あなたの行った事は、明確なこの世界の法律違反ですよ?」 GM/タックスマン : 「わ、私はただ泉の動く所を確かめたかっただけだ!」 ラルス : 「残念ながら支社長殿。この泉は、あなたが思うようなものではありません…後は私に任せて、早々に立ち去って頂きたい。」 GM/タックスマン : 「無茶だ!中は物凄いフレアの渦だ!とても入れるものではっ…」 ラルス : 「(銃をタックスマンに向けて)支社長殿? 退避を。」 アリシア : 「さて愚か者。貫かれるのと撃たれるのと燃やされるのと消されるのとどれが良い?」 GM/タックスマン : 「ひ、ひぃぃぃぃぃ!!」 草薙 : 「(フレアが流れ出る泉を向いて)……あの中に、キリンがいるのか?」 草薙がそう言うのと同時に、巨大な咆哮が鳴り響いた。フレアの閃光が走り、周囲が次々と機械化していく。 メディウスがフレアを吸い取り、蘇ったのだ。 中庭に戻った草薙達が見たのは、フレアの輝きを取り戻し、次々と周囲の物質と融合し巨大化していくメディウスの姿だった。 ピキピキピキッ… 周囲を物凄い勢いで機械化させていくメディウス。その首筋には、取り込まれたキリンの姿があった。 GM/キリン : 「メディウスは、取り込んだ私を介して『命の泉』の力を吸い上げています! 他世界からフレアを引き出す泉の力をメディウスが手にした今、ヴィンラントは…いいえ、このオリジン自体がこれまでの数千倍の速度で機械に変えられてしまいます! 今ならまだメディウスを破壊できるかも知れません……けれど、そうしたら泉も当分は使えなくなります。そうしたら草薙さんを地球に返してあげる事が出来なくなる……!」 草薙 : 「……そんな事言ってる場合かっ!!」 ラルスが気づいた。メディウスはキリンを介して『命の泉』からフレアを吸い取っている…つまり、キリンを切り離せはメディウスは大きく弱体化するだろう。 しかし、それは非常に難しい事だった。メディウスへの攻撃は、それがミサイルだろうと魔法だろうと有効打を与えることは出来ないのだ。 ただ1つ。フォーリナー・草薙の攻撃以外は。 剣が、重い。自分にはあまりにも重過ぎる。だが…やらなくてはいけないのだ。 草薙 : 「俺に…出来るのか?」 アリシア : 「出来るのか、ではない。やるのだ。」 ラルス : 「頑張りなさい、少年。キリンさんの命はあなたに懸かっています。」 レトロアポロ : 「背中に乗れ。…自分を信じろ、少年よ。」 草薙 : 「……やるしか、ないのかっ!」 龍の背に乗り、少年が空を駆ける。深呼吸をし、気合を入れて剣を一閃! だが…足りない! 草薙がそう思った瞬間、アリシアの手からフレアの奔流が放たれ草薙の太刀筋をさらに早く、鋭くした。 草薙の剣はメディウスの首筋を、キリンを傷つけることなく斬りつけ、助け出した。 GM/キリン : 「どうして…どうしてあなた達はそこまで戦ってくれるのですか?」 ラルス : 「…あなたがいなければ、会社が困るからですよ。会社云々はあっても、一応『友達』ですからね(苦笑)。」 レトロアポロ : 「私の目的はメディウスを倒すこと。あそこにあなたがいるのは邪魔だったんですよ。」 アリシア : 「キリン。友を助けるのに理由がいるのか? 」 草薙 : 「…あいつ(アリシア)と似た意見なのは癪だが。人を助けるのに、理由が必要なのか?」 彼らの言葉に、キリンは涙ぐんで…感謝の言葉を言った。 残るは1つ。目の前の機械神、メディウスを倒すだけだ。 クライマックス&エンディング・フェイズへ(coming soon...) |